とら書のブログ

また発生!釣り人がフグ食中毒 素人が見分けることは可能か? ハコフグだけの特殊な毒  

釣り人が食中毒

釣り人が入院中2017年11月29日、名古屋市で釣り人が自分で釣ったフグを食べて食中毒で入院をしました このような残念な事故は毎年、たくさんの件数おきています 今回はフグ調理師の立場で深読みしてみます  職人も知らない情報「ハコフグ」の毒が他のフグとは異なる毒で有ることに注目をします

事故の内容

名古屋市からの発表(11月4日)では、名古屋市内の60才代の男性が自分で釣り上げたフグを食べて入院中と発表しました 食べたフグの種類はハコフグ 調理方法は焼物に調理して食したの述べているようです この男性の症状は筋肉の痛みが発生をして今も入院しているとのことです 時間の流れをみると不思議なことがわかります

釣り上げたフグを食べた時間は朝の五時

筋肉が痛みだした時間は夕方の四時

なんと、11時間も間が空いています 一般的にフグの食中毒で11時間も症状が出るのが遅れることはありません 通常は15分から20分で最初の症状が現れます なぜ?このように遅くなって症状がでたのでしょう 考えて見ましょう

最初に「ハコフグ」に関して

ハコフグは名前の通りに四角の形に似た形状のフグです 一般的にはフグは丸いイメージですが角ばった形の個性的なフグとなります 柄もきれいなために水槽で飼われていることも多く見られます 泳ぎ方も可愛らしくなかなかの人気ものです その証拠にさかなクンの帽子もそういえばハコフグの帽子です 日本の近海ではよく見ることが出来ます 今回の事故からもわかるように、釣りをしていても釣られることも珍しくはありませんさて、質問形式でハコフグを見てゆきます1.ハコフグは食べられるのか?はい、食べられます2.毒はないのか?毒はあります3.食べられる場所は?筋肉 精巣だけです4.食べられない毒のある場所は?

上記以外は全て毒があります 例えば肝臓、血液、皮、腸、卵巣

5.素人が捌いて食べていいのか?

資格のある人しか調理出来ません

なんと、ハコフグは食べられるフグの種別の入っています ハコフグはフグ調理師試験でも食べられる種類のフグと種別をします ただし、食べられる部分は限られます

 

実はどの種類のフグでも同じでフグの毒は全身に有るのではなく、部位ごとに存在をしています

ですので食べられる部位もフグの種類ごとに細かく異なります 今回のハコフグでは皮が食べられない部位ですが、有名なとらふぐでは皮は可食することが出来ます 識別をする技術や知識がないと、誤って毒を食べてしまうことになります 今回もそのような事例です 知識のない方が食べるのは本当に危険なことです

フグを釣り上げても安易に食べることは大変に危険です 講習や試験を受けて資格を有した方が調理をするようにしましょう 平成19年から28年で9人の方が亡くなっています 昨年一年間のフグ食中毒は17件37名が患者になっています

素人は安易に食べない これがフグの掟です

フグの毒はテトロドトキシン もちろんハコフグの毒も同じでしょう?

ハコフグの毒は種類が違います

パリトキシン様毒です 

では一般的なフグの毒は・・・有名な毒です

テトロドトキシンです

 

フグ免許保持者の方はもちろんテトロドトキシンはご存知のことでしょう

ところが、フグ免許保持者の方も知らない事実が、ハコフグの毒のパリトキシン様毒です

なんとテトロドトキシンよりも怖い毒です

テトロドトキシンのおさらい

神経毒 20分程度の短時間でしびれ、麻痺がでる 麻痺症状は口唇から四肢、全身 呼吸ができなくなり死亡する 解毒方法はない 加熱しても分解されない

パリトキシン様毒は

テトロドトキシンよりも猛毒です 40~70倍もの毒性 少量でも死亡する可能性大 加熱しても分解されない 症状は筋肉痛

 

同じフグなのにハコフグだけが特殊であることが不思議です まったく異なる毒をハコフグは持っています 私もフグの食中毒といえば「フグ毒=テトロドトキシン」と考えていました ところがハコフグは違うのです どうやら、我々フグ調理師はパリトキシン様毒について学ぶ必要があるようです

パリトキシン様毒をもうすこし調べて見ましょう

  • パリトキシン様毒を持っている怖い魚

アオブダイ ハコフグ ブダイ ウミスズメ

  • 毒が含まれている部分

魚によって違いますが過去のデータでは概ね一致しています 肝臓と筋肉(身)が食中毒の原因となっています 特に肝臓は危険のようです

  • 症状のでる時間

11時間から12時間 長いと24時間後

  • 死亡の割合

100件の食中毒で死亡してのは4名程度です

  • 食中毒の中毒量

0.5 MU/g

  • 解毒薬

なし

  • 回復日数

数日から数週間

 

実際のところパリトキシン様毒はどの様な毒であるのか解明がされていません

症状は筋肉の痛みが中心ですがその後に呼吸困難に陥り死に至るようです

 

ハコフグに限らずに他の魚もこの毒を持っています

特にアオブダイの事故が多いのが特徴です 今回のようなハコフグの事故よりもアオブダイの事故は深刻な数字です 毒があることを知らない釣り人が多いということになります 長崎、高知、宮崎、鹿児島などでよく釣れる魚です 当然、その地方に食中毒が多く発生しています 特に長崎、宮崎が半数以上を占めています  2015年にも死亡された方がいます 残念です 注意が必要です

 

またこの事故がそうであったように、症状がでるのに時間がかかります 11時間から24時間です

食べてから時間が経過して筋肉が痛み出します その為、原因の解明がわかりにくくなってしまいます 確実に食べた種類の魚を医者に告げるのが大切です ここ10年間でハコフグの食中毒は10件、その中で半数は「ハコフグであろう・・・推定」となっています 食べることはもちろん避けるべきですが、見たことのない魚を食べる時は是非、写真を一枚撮って保存をしてください また、ネットなど調べる慎重さも必要です

まとめ

釣り人のフグ食中毒は悲しい事故です 私達、フグの食に携わる人間としていたたまれない気持ちになります フグは美味しい魚です しかし、猛毒を持っています どうか、安易に釣ったフグを食べるのをやめてください 素人による見分けや調理は不可能です ふぐ食中毒ゼロ これが願いです



 

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