とら書のブログ
8.22017
飲食店の経営入門 第4回 棚卸しやり方教えて? いつ、誰が、どうやって?
飲食店の棚卸し
棚卸しはとても重要な作業です
飲食店にありがちな丼ぶり勘定を避けるためには棚卸しをして経営の状態を把握する必要があります 棚卸しをすれば、毎月料理全体の「原価率」を正確に出すこともできます その原価率によって適正な経営が出来ているか出来ていないか判断することがとても大切です 今回は飲食店の棚卸しのやり方をみてゆきましょう
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棚卸は大切?本当に?なんで?
棚卸しをすることで原価率が確定できます そして原価率から経営の状態が見えます 経営の把握が出来るようになる これは大変に飲食店に大切なことです
毎月するのが面倒 別に経営なんて・・・儲かっているから平気 忙しくてやってられない そんな声もよく聞きます
確かに個人経営は忙しいです 仕込みに、掃除に、銀行回り、バイトの面接と・・・ それに飲食店は日銭が入ります 今日の売り上げで電気代を支払いをするとか、今週の売り上げでアルバイト代を払うとか、目の前の現金で差し迫った支払いを終わらすことが出来ます そうやって毎日過ごすことで経営が出来てしまいます 実際には経営できている感じがしてします これは幻覚です この様な経営は一般的な呼び方は「自転車操業」「ざる経営」「どんぶり勘定」です なにもワザワザ面倒な棚卸しをや原価率なんてやる必要はない そんな風に考える経営者も多いのが事実でが経営者の資格がありません
棚卸しをしなければならない大きな理由
その理由は「飲食店の利益は少ないからです」
とてもとても少ないのです
以前の記事で「飲食店の経営入門 第2回 原価率は27%にする その理由は? 基本から応用」 」にあるように最終的に残る利益は10%程度です 100万円売り上げて10万円しか残りません 経費として90%は消えてしまうシビアな世界です 上に書いたように適当に自転車操業で経営をすると毎日の日銭でなんとなく動いている錯覚に陥ります これが怖いのです ちょっとしたキッカケで自転車操業がきかなくなり、お金が回らなくなります 3年や5年程度で店がつぶれる理由の多くがこれが原因です 真綿で首を絞めるように少しずつ破綻に近づきます
芸能人が出資をして経営をしている和食の店があります 売れているのに利益がでないと悩んでいました この店では店長がいますが原価率も棚卸しも一切していませんでした そこで実際に計算すると許容範囲を大きく超えて、見えない赤字の垂れ流し状態でした 経営者が知らないことを良いことに適当にやっていたのです 飲食店では棚卸し、原価率は絶対に押さえなければいけない数字です それだけではありません ほかにも人件費率、客単価など多くの数字を把握しなければなりません ちなみにこの芸能人の店は半年で黒字に転換をしました メニュー単体の原価率の見直し、仕入れ価格の改善、棚卸しと料理全体の原価率の把握 そして、今でも繁盛店で経営をしています
棚卸しをするタイミング
毎月の月末です
月末が定休日の場合はその前日 最後の営業日です
営業が終わってから実施となりますが、昼の休憩や営業の合間に実施をするのも良いでしょう 1か月の単位で行いますので事情がある場合は15日などの他の日でも構いません
誰がするのか?
経営者でも臨時職員(パート アルバイト)でも社員、店長でも誰でも構いません ただし基本的なやり方は経営者や責任者が指導してください
オーナーとして店を店長などに任せているなどの場合は、特に最初の1回目はオーナー(経営者)がすることを提案しています 今後の従業員の姿勢、態度に影響を与えます 今現在の店舗経営に問題がある場合は特に、刺激としてオーナー自ら,もしくは外部に委託することが意味のあることとなります
どの品物を調べるの
棚卸しは飲料と食材とわけて調べます 今回は食材の棚卸しですので、食材の在庫をし食べます では、食材とは何でしょう 食材に該当するものを例として書き出してみます
米
醤油、塩、みりん、酒、調味料類
冷凍庫にある食材すべて(残り物も含む)
缶詰
片栗 小麦粉 油 パン粉
かつを 昆布 コンソメ 本だし 味の素
野菜類 フルーツ類
アイスクリーム、デザート類
熊笹 大葉 パセリ バジル チャイブ ローズマリーなどハーブ類 購入した葉類はすべて
天婦羅の敷紙など(備品としてではなく食材で考えます 皿は除く)
肉類、魚類
これらのが食材在庫の対象となります 下記は食材在庫に入れてはいけないものです
ラップ ハイター 洗剤 キッチンぺーパー 調理器具 布巾 飲料
などです あくまでも料理の食材になる品物の在庫を調べます 販売してお金が売り上げが発生するものは基本的にすべて食材在庫で数字を把握します 例えば、エスカルゴに楊枝(ピン)を刺したとします この楊枝は食材原価になります エスカルゴが楊枝も含めて提供されてお金が発生するからです
管理のやり方
エクセル(パソコンの集計用ソフト)で自動に計算にて集計をすると便利です しかし、不慣れな方は電卓で計算をすれば事足ります 次の項目のような表を手書きで書けば問題なく在庫を取ることが出来ます しかし食材の数量(アイテム数)は300を超える場合もあります そんな場合は一度品名などを入力すれば、あとは在庫数を入れるだけで自動に計算してくれるパソコンの集計ソフトは便利です
具体的な飲食店の棚卸しにやり方
最初に表を作ります
そして表に記入をしてゆきます 今回は例として4項目しかありませんが実際には100から200項目程度の食材があるかと思います 大型店で300項目程度です
商品番号 | 納品業者 | 品名 | 仕入れ金額 | 在庫数 | 合計金額 |
0001 | 石井食品 | 小麦粉 1k | 160円 | 2コ | 320円 |
0002 | 石井食品 | なめこ缶 | 200円 | 6缶 | 1200円 |
0003 | ハイ商店 | 大根 | 150円 | 2.5本 | 375円 |
0004 | まいど魚天 | 鰤 | K 1000円 | 1k | 1000円 |
商品番号 なくても構いませんが管理上番号をつけておくと便利です
納品業者 業者の名前で集めておくと探すのが便利です
仕入れ金額 納品書やレシートから金額を記載します
在庫数 実際にある在庫を確かめて記載します
合計金額 仕入れ金額×在庫数です
これらをすべての在庫で調べたら、その総合計を計算します これが食材の在庫金額となります これで、食材の在庫は調べることが出来ました
まとめ
飲食店の食材在庫に関してまとめてみました もちろん大切なのは在庫管理だけではありません 在庫の数字から原価率の計算 人件費率 光熱費率 客単価 など考えなくてはいけない項目はたくさんあります しかし、煩雑に感じますが慣れれば、これが飲食店の経営そのものであり、決して失敗しない王道であると理解できることと思います
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