とら書のブログ
9.192018
関東と関西なぜ味が違うのか?板前目線で考えて見ました 確かに辛さや甘さに大きな違いが・・・
はじめに
関西は薄味とよく言われます 聞いたことがある方も多い方と思います 私は関西で修行をしてきた料理人ですが、確かに料理の味付けには大きな違いがあります うどんなどは有名ですね 実は味付けだけではなく、食材の呼び名や魚の捌き方なども関西関東では違いがあります しかし、その中でも顕著に異なるのが味付けです 煮炊き物などを作っていると「ああ違うな・・・」と思うことがしばしばあります
今までなぜ、そのような違いがあるのか考えても見たことがありませんでしたが、少し私なりに考えてみたいと思います
知り合いの料理人の意見や知識も織り交ぜながら・・・では、始めましょう
関東関西の味付けの違い
大まかな違いは下記のような違いです
- 関東・・・濃厚 甘辛い
- 関西・・・薄い さっぱり
こんな感じで、よく言われています
先ほそ触れた「うどん」など良い例ですね 色が黒くて甘い感じのうどん、これが関東 色が薄くてさっぱりこれが関西
みんさんも、うなづけることと思います では最初に関東が濃い理由を考えて見ましょう
[ad#ad1]
関東の料理が濃い 甘辛い理由
関東には江戸城があったから!?
関係なさそうな話ですが江戸城と味は関係しています
幕府が置かれた江戸では大名や武士の宴会や儀式が多くとり行われました そたために、折り詰め、口取り料理が盛んに作られました
持ち帰りのお弁当や料理で心配なのは食中毒や腐敗です これを防止するために濃い目の味付けになったと想像できます
おせち料理をイメージするとわかると思いますが、濃い味が多いですね これは三が日は主婦が楽をできるようにとの気配りからそのような腐りにくい味付けになりました このことと同様に持ち帰り文化が多かった江戸では濃い味付けになりました
砂糖がたくさんあった
砂糖は貴重品でした 当時、手に入れる方法は輸入です そう、長崎です
長崎は幕府の直轄ですので長崎奉行から多くの砂糖が全国どこよりも江戸に運ばれて来ました 贅沢品の砂糖を使えることは権力の象徴にもなりました
ですので、甘みの強い料理が増えていったと考えられます
甘味は以前「うまみ」と読まれていました 味の要が砂糖だった証拠と言えます
海が違いまっせ
外海に面していたのは関東 内海が近いのが関西 この差でとれる魚が異なりました
関東の外海では、身が締まり、赤身、脂が多い魚が多く見られます そのため、濃い味付けをします ダイレクトに臭み消しの意味でも、では関西の内海では鮮度を保って大阪などに運ぶ必要があります そのために予め塩をしたり処理をした魚が多く使われました 当然、臭みは塩の力で抜けてしまいます もちろん、内海の魚の種類にも違いがあります 青魚や小魚中心ですので、薄味でも味が入ります
海の違いは大きく味の違いに影響をしたと考えられます
土が違う
関東といえば「関東ローム層」です 畑をみるとすぐわかります 見事な赤い土です これは「富士山の火山灰」です この土で栽培された野菜は味に違いがあると考えられます 京野菜がそうであるように、関西ならではの野菜が沢山あります これは、土の違いで生まれた野菜です どうしても味付けにも影響がでてしまいます
水が違う
違いますね 住むとわかります ただ、今は水道水の話なんでなんとも言えませんが・・・
醤油が違う
はい、関西には薄口醤油があります
薄口醤油は実は普通の醤油よりも辛い醤油です しかし、色が薄い また、やさしい香りです
この醤油が関西では家庭でも普通に見られます 名古屋の八丁味噌的な存在です その味になれた方は濃い口の醤油ではきつく感じます 真っ黒ですからね
関西ではおでんを「関東炊き」といいます 真っ黒の汁で煮るおでんです 実際いまでは「関西風おでん」なども多く見られますが、黒色イコール関東のイメージは拭えません 静岡おでんなんて目も当てられない真っ黒ですね
どっちが勝ち
白黒をつけることはできませんが、料理人として感じることは関西の勝ちです
近頃、関東でも関西風の味付けが実に多くなりました 薄く、香る味付けです
「出し」も以前よりも効かせたほうが喜ばれます これも、関西の影響です
うどんも、なんだかんだ黒いうどんをイメージされてしましますが、フアミリーレストランあたりのうどんは透きとおる汁が当たり前です 駅前の立ち食いこそ黒い汁ですがそれでもかなり薄くなっています
日本全国が流通の発達で差がなくなってきました また、味の好みも労働系よりPC系に変わっているようです あっさりの時代ですね
まとめ
独断と偏見ですがまとめてみました 関西と関東の味の違いはなぜか?
答えになっていたでしょうか・・・
各地方の違いってたくさんあります
丸餅と四角
お雑煮が味噌だったり吸い物
・・・楽しいことです 日本人生まれてよかったと思える瞬間です 楽しく味わいましょう
[ad#ad1]