とら書のブログ

和食の煮物 しぐれ煮、含め煮、じか煮、白煮 桜煮 板前必見煮物大全集 煮物の道標


はじめに

和食の煮物には数多くの種類があります 料理人でも迷うほどの量です

 

言うまでもなく和食では煮物は大切な献立です ほとんどのコース料理や会席料理に煮物は入っています 駅弁やホカベンにいたるまで、入っていて当たり前の存在です

私も板前というプロになりたての頃、煮物のやり方の種類がとても多いことに驚きました 和食の奥深さを感じたことをおぼえています

ただ醤油で煮るわけではなく、素材や季節、色合いなどを考えて色々なやり方で調理をしてゆきます

鰤なら鰤の 里芋なら里芋の 蕨なら蕨の 蛸なら蛸の・・・

 

今回はそんな奥深い煮物を、わかりやすくまとめてみようと思っています

解説は異論も出るかもしれませんが、できる限り一般的なやり方を紹介します

では、煮物の世界を覗いてみましょう プロの和食の煮物です

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煮物 煮汁の少ない

最初は煮汁が少ない煮物を紹介します 煮汁が少ないということは、それだけ早く仕上ります また、煮詰まりも早くなるので濃い味に仕上がる特徴があります

早煮・・・水やだしは使いません みりんと酒で短時間に仕上げます アラを煮る際には最適です

あら煮・・・鯛、ムツ、鰤などを煮ます 霜降りとみりんでこってりと仕上げます 脂の多い魚で使われる煮方です

白煮・・・醤油を使わないやり方と白醤油で仕上げるやり方があります 里芋 烏賊 蛸など色を白く残したい場合にこの煮方をします

しぐれ煮・・・有名な煮方です 佃煮のイメージです 辛くよく煮詰めます 生姜が多く使われます 赤貝 あさり 鮪 かつを はまぐり

味噌煮・・・味噌の種類によって色々ですが、サバの味噌煮が有名でしょうか・・・いわし、かつをなども味噌煮です おかずに合う味付けです 実際は味噌で煮る前に醤油で煮ます

柔らか煮・・・蛸桜煮がそれにあたります 桜煮が別名です 蒸し器で仕上げ固くならないように気おつけます アワビ、トコブシ、栄螺も同様に煮ます

 

煮物 煮汁が多いもの

おろし煮・・・薄味で仕上げます 大根卸しと共に煮付けます 揚げ煮にすることも多いです 甘鯛 鯵 サバなどが多く使われます おでんの卸し煮などもあります

芝煮・・・新鮮な魚を煮るときに使うやり方です 材料の鮮度と味を優先するために甘みはなしで薄味です

沢煮・・・あっさりと煮付けます かなり、あっさり 鮮度の良い白身魚などを煮付けます

治部煮・・・よく有名な煮付け方法です そば粉をまぶして煮ます 天盛りで山葵が付き物です 鴨治部煮 若鶏治部煮など・・・ 小麦粉もありです

黄身煮・・・私はホタテで使う煮方です 粉打ちをして黄身をまぶしてさっと煮ます 穴子、海老、若鶏、などで用いられます

酢煮・・・これも有名です 私はイワシでよくやります 酢をいれて煮るのですが、甘味や薄口醤油も入れます 梅肉で代用もできます

含ませ煮・・・野菜の煮物では多い煮方です 高野豆腐などもこれで 芋 湯葉 麸など 火を止めた後、味が入る要領です 薄味で

付け煮・・・これも野菜 青物で使われます 茹でた野菜を冷水で色を留め、冷めた煮汁のなかに落とします 一晩、おいて出来上がりです いんげん、さや、青菜

 

 

 

 

とろみがある煮物

吉野煮・・・葛を引く煮物です 片栗というよりあくまでも本葛です 葛をまぶして煮るか汁に入れるのどちらかです 和食の定番煮物です 海老 貝 鱧

 

煮る前に加熱するもの

炒め煮・・・油炒めから濃い目の味で整えます こんにゃく きんぴら 蓮根

いり煮・・・うの花が有名です 入りながら味を入れて行きます 汁も入れますが多めの汁で、汁をとばしてゆきます

じか煮・・・破竹 えど 南瓜 下茹でをすることなく煮てゆきます 惣菜でよくやります

アメ煮・・・これも有名 甘露煮と考えてください 鮎やわかざぎを濃いめの汁で煮て、最後のほうで水飴を入れて仕上げます

煮浸し・・・川魚でやくやられます 素焼きの魚を煮てゆきます くさみが防止になります

 

 

煮物の味付け

煮物の種類を見てきました 実にたくさんの煮方があります 日本料理の奥深さ、伝統を感じます これらの煮方を板前が的確に判断をして料理として完成をさせなくてはなりません 「美味しかった」の一言のために、的確な判断が必要になります 素材を考えどの煮方が最善か・・・板前の経験やセンスが求められます

ここで、煮物の味付けに関してです どのような味付けにするのか?残念ながら文章でお伝えすることは難しいのですが、どうしても言っておきたいことがあります それは最適な味付けの基準です 一言で

「薄味でおかずにするな」

おかずとして美味しい これは日本料理としては失格です 酒のつまみとして美味しい ここを目指してください 上にあげた煮物やり方を参考にして、ご飯のおかずにならない薄味と甘さで料理をしあげてみてください きっと、本格的な和食の味に近づくことと思います

火加減や落し蓋、酒の使い方、醤油の選択など学ぶ点はたくさんありますが、基本からスタートして経験や練習を重ねることで味は大きく変わります

諦めないでチャレンジしてください

特に難しいのは「だし」です 上手はだしを取ることで煮物の味は大きく変化をします 今回はだしのことを書ききれませんが、だしも重要であると覚えておいてください

まとめ

煮物の種類をあげてみました 一つ一つ説明や実践をしたかったのですが今回は一覧であげてみました

どの煮方も簡単ではありません しかし、数を重ねて上手になってゆきます はじめはみんな素人です 頑張ってください

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