とら書のブログ

高成長トラフグはすごいぞ 応援しようゲノム編集 料理人として多いに期待  

トラフグ

トラフグはご存知のように、日本を代表する白身の高級魚です 白身で品のある味は私達を多いに楽しませてくれます 高級魚として扱われているので、1k当たり1万円前後の高値で流通しています 値段が高いのがすこし残念です 庶民には高値の花となってしまっています 実はこの高値のトラフグが安くなるかもしれない そんな情報を今回は紹介をします 通常では二年で養殖されるトラフグを短期間で市場に出すことができる なんとも、夢のような画期的な方法です 名付けて「高成長トラフグ」 実は市場にはまだ出回っていません しかし遅かれ早かれ登場する高成長トラフグを料理人の立場または消費者の個人的な意見で探ってみます

 

高成長トラフグってどんなトラフグ?

一言で成長のスピードが早いトラフグです 通常の倍に近いスピードで出荷出来ます 20歳の成人で成人になるのが10歳で成人になるようなもの、想像の範囲を超えてしまいますが現実に高成長トラフグはすでに成功をして存在をしています

 

一番の疑問点はなぜそんなことが可能なのか?だと思います

育て方が違うのか?トラフグの種類が違うのか?餌が違うのか?色々と想像できますが・・・高成長トラフグで、やることは一つ、それはトラフグの遺伝子の編集をします そうすることで、今までとは異なる育ち方をするトラフグが誕生をするのです

 

通常のトラフグの養殖は出荷までに約2年かかります この年数が半分の1年で出荷が可能となります そうなれば当然、短期間で出荷できることで販売単価が安くなります 大きなメリットです 安いトラフグを食べられる私たちには嬉しいニュースです 良い時代になりました

 

ここで一般的な養殖の流れを簡単に見てみましょう 飼育のはじめは稚魚からです 4月から5月に稚魚を買い付けて育て始めます その時の大きさはゴルフボールほどの可愛いトラフグです 膨れた姿ははさしくボルフボールです 笑ってしまうほど可愛い姿です

 

そして、7月になると、とても大切な「歯切り」が始まります 歯をニッパのような道具で一匹ずつ切る作業です この作業は成長に合わせて一度ではなく数回行われます これは、養殖では不可欠な作業です その理由は共食防止です 歯を切り取らないと、お互いを傷つけ合ってしまいます 天然のトラフグのように、きれいな尾びれなどで出荷するためには欠かすことの出来ない作業です 傷だらけのトラフグでは商品価値が大きく落ちます 最初の一年間は歯切りと間引き(大きな水槽への移動、選別)をしながら、大切に育てられます

 

二年目のトラフグは成魚となりますが、まだまだ出荷の大きさにはなりません 病気にかからないように注意をしながら、餌の量を増やしてゆきます 長崎などで問題になりましたが「エラ虫」などが天敵です エラに寄生する虫ですが、駆除のために使ったホルマリンが環境を汚染してアコヤ貝、真珠養殖に大きな影響を与えました 8月からは更に大きく成長をします 骨格が伸びて立派なトラフグに成長します そして11月から12月には白子も大きく成長をします このあたりが出荷の時期となります

 

こうして、約二年間トラフグは養殖をされて我々消費者に届けられています

 

ちなみに、トラフグの卵や稚魚は専門の業者が販売をします 農家が種を農協で買うのと同様です 実は養殖されているトラフグは自然交配はしません そのために人工的に交配をさせます そのために専門の業者が年に1回だけ卵をとり、それを受精させて孵化させます 80日間育てられてから、養殖業者に出荷をされます この時期が4月から5月となり、そこから2年間養殖されることとなります

 

養殖には2年という長い時間が必要です その間には死んでしまうような病気やアクシデントもおきます 本当に気の抜けない緊張をした養殖の技術が必要です

 

この二年間の養殖の期間が一年になる なんとも画期的な話です では、遺伝子の編集とは実際に何をするのか?高成長トラフグを更に掘り下げて見ましょう

まだまだ食べるぞ! 一年出荷の秘密

トラフグは先程も述べたように2年間の期間がなければ出荷できる大きさにはなりません これは自然界の中では定められた掟のようなものです

どの様な動物でも成長にはルールがあります 人間で考えても10歳の子供と20歳の成人とは全く異なります 10歳は10才 20歳は20才です 違いは歴然としています

しかし、遺伝子を編集することでその違いをなくすことができるのです ルールを変更する作業をするのです

 

具体的に言うと「お腹いっぱい」にならないトラフグを作っています どんどん食べる、ある意味肥満児です

遺伝子を編集して「満腹である」という脳への司令を操作をします そのことで餌を食べる量を増やします 結果、一般的なトラフグよりも早く成長をするのです トラフグにまだまだ食べたいと騙しているのですね すごい技術です

 

まだまだ食べたいトラフグは、多くの餌を食べることで、筋肉(身)や骨格の成長がよくなります 成長は当然早くなります

二年を待つことなく出荷できる大きさに育ってくれます 一年で白子もしっかり育ち二年ものとの差は殆どない状態になります

自然界の掟をまさしく壊したことになります

 

ここで注意をしたいのが「遺伝子の編集」という言葉と「遺伝子の組み換え」です

この2つは全く異なるものです

遺伝子組み換えは豆腐など大豆製品にはおなじみの表示です 多くの人が知っているようでよくわからないのが現状でしょう

遺伝子の組み換えは、新しい性質を持たせるために、人間に都合のいい遺伝子をブレンドする作業をしています 苺の遺伝子にレタスの遺伝子をプラスしたり、鮎の遺伝子に蜘蛛の遺伝子をプラスしたり、常に掛け合わせる事により新しい品種を生み出す究極の品種改良の方法です 一見、良いことだらけのように思えます ととえば腐りにくい果物や害虫に強い食材ができるのですから、生産性をあげて私達の生活を豊かにしてくれるように思えます 良いことづくめです

しかし、このやり方は、消費者には受け入れられていなのが現実です 知らない世界 未知の食品に恐怖を抱いています 遺伝子組み換えの食材を食べると、病気になったり、奇形が生まれたり 何がおこるかわからないと、遺伝子組み換えのされた食材は避けられる傾向があります

 

ではトラフグで行われている「遺伝子の編集」はどうでしょうか? 同じような言葉の意味合いに思えますが 実は全く違うやり方です 安全で優れた遺伝子の操作なのです このあと詳しく見てゆきましょう

ゲノム編集とは?

遺伝子の編集とは「ゲノム編集」とも呼ばれています ゲノムとは遺伝子のことを指します

ゲノム編集の研究は世界中で行われています 私が初めてこの言葉を聞いたのは10年ほど前のことです もう、10年間も研究をされてきて、すでに色々な結果が見えてきています その一つが「高成長トラフグ」といえます

 

高成長トラフグなどの研究は京都大学や近畿大学で盛んに行われて来ました

私は南紀白浜の近畿大学の施設を何度か見学をしたことがあります 近畿大学はハマチの養殖、マグロの養殖などで有名で我々料理人の仲間でも「近大マグロ」は高い評価を得ています また、京都大学の木下 政人先生はゲノム編集では有名な方です 木下グループとして海水魚や淡水魚を多く研究をしてたくさんの成果を上げています 木下グループの研究は料理人には興味深いものがたくさんあります 是非、一度ホームペジを覗いてみてください また、講演なども大変に勉強になります 知識がない状態で食材を使うよりも、正しい知識で食材を扱うことはとても大切なことです 安心を料理人だけではなく、それを食べる「お客」にも届けることが出来ます

 

さて、本題の遺伝子編集ですが、遺伝子編集は遺伝子を「切り取る」作業をします ここが遺伝子の組み換えと違うところです 遺伝子の組み換えでは「プラス」することで遺伝子に変化をもたらします しかし遺伝子編集は「マイナス」することで遺伝子を変化させています この「プラス」と「マイナス」では大きく意味合いが変わります

 

今回のトラフグで言えば「満腹」を感じる遺伝子を切り取ってしまい、常に空腹の状態にトラフグをおきます 例えば、アレルギーの含んでいる食品ならばそのアレルギーが起きる原因を切り取ってします 遺伝子を編集するとは、遺伝子の切り取りを意味します

 

遺伝子の編集も遺伝子の組み換えも、たしかにどれも遺伝子に対して何かを行います しかし間違えてはいけないことは遺伝子の編集では「何も足していない」あくまでも遺伝子を切り取る「引き算」でありことです ゲノム編集はこの点が優れています

 

マイナスしてもその食材はあくまでもその食材そのものです トラフグはトラフグです 新しい種になったわけではありません 性質が異なっただけで、トラフグには違いありません プラスしていない事実は認めなければならないのではないでしょうか? マイナスすることで私達の健康に影響がでる「毒性」や「遺伝子異常」が出るとは、まことに考えにくいと私は考えます

 

私は正直に行ってプラスをする「遺伝子の組み換え」は少し怖さを感じます プラスして出来上がった食材は姿形が似ているとしても自然界ではありえない新種に近いもの、人間が作り上げたオリジナル作品となってしまいます 決して、私は遺伝子組み換えの安全性を否定するだけの知識があるわけではありません 良いものなのか?悪いものなのか?正直にわかりません 怖さを感じる・・・きっと時代の流れの中でその答えは出てくるものだと思います

 

トラフグ以外にもゲノム編集は研究されています

  • 真鯛
  • 片口イワシ(煮干しにします)
  • トマト

また、病気に対しても研究が盛んです

  • エイズ
  • 筋ジストロフィー症
  • 白血病
  • 冠動脈の疾患
  • マラリア

など、世界中で多くの学者が研究をしています そして完成されているものも多数あります 我々の生活、安全、健康にどれも役立つ研究です

 

ゲノム編集と安全性をもう少し・・・

先程も言いましたが「切り取る作業を行う 何も足さない」このことが大切です

安全性という言葉は料理人にとってとても大切な問題です 料理人として安全な食品を提供する責任は多いに必要です

私はゲノム編集された食材は安全であると確信しています 足していないもに恐れる必要などあるはずがありません これが私の答えです

 

私が危険であると思うものは、何かが足されている食品です それらは大変に危険です

うなぎ・・・残留薬

海老など海産物・・・抗生剤の使用

食肉・・・抗生物質、合成抗菌剤、内寄生虫用剤、ホルモン剤及び農薬の残留

具体例はあげるまでもなく、毎年たくさんの食品が問題とされて報道されます 私達は知らず知らずに食べてしまっているのが現状です

 

しかし、ゲノム編集は何も足していません 遺伝を切り取っているだけです にもかかわらず「安全ではない」と言う人々がすでにいるようです

多くの人は「遺伝子を操作」することに怖さを感じます 倫理的に恐れたり、人として、やってはいけないことのように感じます その気持は良くわかります 確かに神の領域のように感じる部分がありますが、科学的ではありません

 

我々は過去、遺伝子を操作し続けて来ました

小学生がオシロイバナで遺伝の勉強をします 花の色が遺伝されてゆく流れを学びます 遺伝は単純な構造です 人類は遺伝を研究をして少しでも人間の都合の良いものを作り出してきました 交配を繰り返し自然界には存在しないものを無数に作り出してきました

スーパーを見ましょう  胡瓜 さつま芋 ブロコリー トマト 米 牛肉 鶏肉・・・ どの食品もすべて改良を繰り返して今があります 長い年月で生み出した傑作がそこには並んでいます 色や見た目、味や香り、ほとんどが高得点の食材です ご存知のように、毎年のように新しい品種が登場しています これは、人類が生産という行為を始めてから、連綿と行われてきた事実です 品種の改良は遺伝の改良なのです

 

なのに何故「ゲノム編集」を恐れるのか、私には理解出来ません 正直にいって「今更」です

ゲノム編集は自然界の「変異」を短時間で科学的に行っているに過ぎません いままでの改良行為とも何も変わりません  改良の「時間短縮」のどこが危険なのでしょうか? 少しでも良いも、都合の良いものが並んでいるスーパーの食品売り場を否定するようなものです

 

繰り返しますが「足していない」ことは明白な安全を証明します ゲノム編集自体は、遺伝子を取り除いているだけです

 

私は少しでも早く国が許可をだし、ゲノム編集の魚や野菜が登場することを願います

ゲノム編集された食材は、安全性や法の整備でつまずいています 私達の立場でも、過敏なデタラメを言うのではなく、現実的な食品の安全を考えるべきだと思います 偏見で否定をするのは間違っています

私は「ゲノム編集」を応援します

ゲノム編集を研究することは、農薬や抗生剤、アレルギーなどの問題を解決する可能性もあると思います 病気や寄生虫に強い食品が作れる可能性が高くなります 料理人として大きく期待をします

高成長トラフグが市場に出る日を楽しみにしています



 

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