とら書のブログ

トリ貝 捌き方 生で使う方法と茹でる方法を解説 色を残すポイントを解説

はじめに

和食でよく使われるトリ貝 赤貝やアワビなどと同じようにとても身近な素材です

 

歯ごたえがあり、甘みがあり人気もある素材です 冷凍されたトリガイをよく見かけますが、和食店では旬のトリガイを自分でさばいて使うこともよくあります

 

基本的に「生とり貝」は物珍しさから単価の高い料理となります 捌くことはそんなに難しくはありませんが、コツや慣れが必要です 特に黒い色のお歯黒と呼ばれるところを残す技が大切です ラップを使ったりレモンを使ったり・・・他の貝とは異なるやり方が出てきます

 

では美味しいトリガイの調理方法をできるだけ詳しく解説をします 和食調理人はもとより、一般の方々で生鳥貝を手にした方は是非、参考にしてチャレンしてみてください

とり貝の基本情報

とり貝 鳥貝 トリガイ など書き方は色々です 基本的な名前の由来は「鳥」と関係をしています

足の部分が三角形で鳥の頭(首から上)とよく似通っています そこで「鳥貝」との名前の由来となりました

 

ザルガイ科の二枚貝で7センチほどの楕円の形をしています 表面は薄い黄色で縦の40本ほど線が入っています 内側は紅桃色をしています 瀬戸や伊勢などに多く生息をしています 5から30メーターの砂地にいますが、泥が混じった環境に多く生息しています

内側の色です きれいな色です

 

国産は減少しています 市場の魚卸の話では多くは韓国からの輸入が多いそうです その場合は冷凍処理されたものとなります 以前は千葉産も多く見かけました 今でも東京の生鳥貝は富津産が多いですが水揚げは大きく減少しています

 

生の鳥貝の旬はです 私は桜の開花前後に市場の魚屋に予約をして手に入れています 特に高級な寿司店では生の鳥貝は人気があります 春先になると生鳥貝は引く手数多となります

鹿児島産の鳥貝です

お歯黒

新鮮な鳥貝の目利きは、色が黒、これがとても大切です 黒い部分はオハグロと呼ばれています 生鳥貝をさばく際にはこのオハグロを残すことが技として求められます お歯黒を意識して丁寧な仕事が求められます また、お歯黒の色を止める特別な方法もあります 詳しくはこの後、捌き方で解説をします 考えて見ると色の黒い貝は珍しいですね アワビやホタテも色の黒い部分は汚れとしてきれいに落としてしまいます 鳥貝ではその逆、いかに黒色を残すかが大切です 鳥貝に似た形で石垣貝があります こちらは黄色がかった白色です 形が似ているので鳥貝の黒を落としてしまうと、まるで石垣貝になってしまいます 注意しましょう

鳥貝と和食

鳥貝は刺し身が断トツに多く使われます しかし会席料理では火を入れた料理も見受けられます 私がいた関西の店舗では炙りも献立に登場をしていました 火を入れることで味が濃く、甘みが増します 今回も捌き方、刺し身、焼き物と解説をしますが、せっかく殻付きの生に火を入れるのは嫌だなと思われる方はあくまでも刺し身や酢の物でお使いください

 

鳥貝と寿司店は切っても切れない関係ですね 貝の好きなお客様は鳥貝はなくてはならない素材です 冷凍の鳥貝も使われていますが、春先は生鳥貝として寿司ネタとなります 特に高級は待ちわびるお客様もいるくらいです

生鳥貝の目利き

多くの鳥貝は長い脚が出ている状態です 赤貝のようにしっかり口を結んでいる感じではありません 良い鳥貝の選び方ですが、黒色が基準となります 出ている足を見ると黒色が薄い、落ちているものがあります このようなものは刺し身としては不向きです しっかりと色の黒いものを選んでください

 

鳥貝の捌き方を解説します

色落ち防止でラップを引きます 木のまな板、プラスチックのまな板ともに鳥貝が擦れて色落ちしてしまいます 最初にまな板を濡らしてラップを引いてその上でさばいてゆきましょう  やらない板前もいますが鳥貝ではかなり有効です

ラップはポイントです 色を守ります

左手に鳥貝を持ちます 右手に貝むきを持ってください

持ち方1

持ち方2

多くの場合は口は開いています たとえ閉じていても簡単に手で開くことができます

中を覗くと殻にへばりつくように鳥貝のヒモがあります その紐と鳥貝の貝柱を切り落とします

貝柱を切ります 簡単に切れます

黒いのが足 ヒモも見えています

 

貝柱を切り落としたら貝を手で開きます

もうじき身が外れます

中の身を取り出します

身を左 ヒモを右に置きます 身の下に包丁を入れてヒモを切り離します

左が足(身) 右がヒモです 切り離しています

ヒモの周りを掃除します

下の部分を包丁で切ります 手で引きちぎると お歯黒が落ちてしまいます

ヒモを押さえて身を引っ張ります

切り離しました

右の部分を掃除します

身は丸みがある方を左です 丸みに包丁を入れて開きます

ヒモは塩でもんで水気を取ります 後は刺し身や炙りで食べられます

この向きに置いて

このように切ります ラップがあるので安心です

 

ワタを包丁でこすって落とします

黒い部分がワタです

刃先でこするように

 

反対側の残ったワタも落とします

表の出っ張っている部分も落とします

最後は下を切りそろえ

レモンやすだちのを入れた水に落とし水洗いをします 酢を少量たらしてもかまいません お歯黒が落ちるのを防ぐためにそのようにします

水洗いは優しく

水気を取ります

まな板の上に叩きつけると身が縮みます そのまま刺し身として盛り付けをします

叩いた鳥貝 歯ごたえが増します

完成した鳥貝の刺し身です

お刺身の完成です

火を入れるやり方も解説をします 生の鳥貝ももちろん良いのですが、軽く火を入れることで甘みが増します また、お歯黒の黒色が落ちにくくなります

沸騰をした湯を用意します 穴開きのかながいに鳥貝をのせます

湯に5秒落とします

湯に落とします

氷水にレモンをいれます その中に先程の鳥貝をすぐに落とします

レモンと氷で冷やします

完成です 鳥貝を生と湯をしたものと比べると違いがよく分かると思います 私のおすすめはこちらの湯を見せるやり方です ホタテも同様の処理をしますが、味が濃厚になり私は美味しいと思います みなさんも試してみてください

鳥貝のあぶり焼き 梅肉醤油添え

鳥貝はあぶり焼きも美味しい貝です 香ばしさが+されて酒の肴に最適な料理となります 特に生の鳥貝は軽く塩で炙ることで甘味が大きく増します

鳥貝は先の説明のように捌きます 開いて掃除をするところまでは同じです

焼き網に鳥貝を並べて塩を振ります 近火の強火で炙ります

銀ホイルの上で炙ります

両面を焼けば完成です 付け焼きとして割醤油で仕上げても良いですが、今回は梅肉醤油を添えています

梅肉を添えて 完成です

ポイントとして火を入れすぎるのは厳禁です 火を一気に入れる感じで短時間に仕上げてください 遠火で長時間は縮んでしまいます 注意してください

まとめ

鳥貝は美味しい貝です 特に生の鳥貝は歯ごたえと甘みは最高です 高級素材となっていますが、料理店では間違えなくお客様に喜ばれる季節の味となります

 

参考までに私が買った鳥貝はk2200円  産地は鹿児島産です

 

では、みなさんも、鳥貝の美味しい料理を・・・









 

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