とら書のブログ
4.102019
すみいか捌き方 板前の技教えます 刺し身と黄金焼きを解説します
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はじめに
烏賊に大きく分けて二種類あります 大きな甲羅がある甲イカとツツイカです 今回は甲イカに属する墨烏賊を解説してゆきます 墨烏賊を捌くことで、他の甲イカ、アオリ烏賊なども捌けるようになります 是非、極めてみてください
烏賊の種類
烏賊の種類は200種類以上存在します 日本近海では100種類が確認されています 姿形も色々です 主なものを挙げて見ます
- アカイカ
- スルメイカ
- ヤリイカ
- アオリ烏賊
- ケンサキイカ
- ジンドウイカ
- ホタルイカ
- スミイカ
聞いたことのある烏賊も多いかと思います スルメ烏賊などは特に有名ですね また、釣り人に人気なのがアオリ烏賊でしょうか・・・ホタルイカも小さな体で個性的な食材です 烏賊の個性は様々で私達を楽しまさせてくれています
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鮮度の良いスミイカです
和食と烏賊
上の種類の烏賊は当たり前のように和食店ではすべて使います 当然ですが処理や使いみちは異なりますが、どの店でも季節や入荷を考えて色々な料理に使われています
例えば
スルメイカならば塩辛 ワタと和えて酒の肴には最適です
ヤリイカでは私は前菜の烏賊わらびに仕立てます
ホタルイカは黄身酢和え
紋甲烏賊なら刺し身や天ぷら
このように和食では烏賊の料理はたくさんあります 創作料理や郷土料理などを入れれば数えきれない烏賊料理が存在するでしょう 烏賊は和食店では大切な食材となっています
刺し身一つとってみても切り方が多く存在します
- 巣ごもり造り
- 菊花造り
- 椿造り
- 焼き霜造り
- 糸造り
- 松造り
- 鳴門造り
など、烏賊の白色が冴える美しい刺し身 それが烏賊のお造りです また、寿司ネタとしても無くてはならない食材ですね どの寿司店でも必ず烏賊はおいてあると思います
今回取り上げた墨烏賊も同様です 焼いて良し 生も良し なんと言っても甘みのある身が最高です 和食店では高級な部類に属する烏賊として、特に一流店ではおなじみの烏賊となっています
墨烏賊について
甲イカのことを墨烏賊と言います
和食では漢字で「墨烏賊」と書れることが多いのですが、一般的にはひらがなやカタカナでしょうか・・・スミイカとかすみいかなどと 墨袋が発達しているので墨の中に紛れて売られています 名前の通り見た目は墨で真っ黒です 身に色がつかないかと心配ですが水洗いするときれいな姿に戻ります
旬は春から初夏 卵を生む前が美味しい季節ですので春先が旬となります 夏になるとしっかりと子供を腹に抱えます その頃も市場に出回りますが、私のおすすめも4月から6月くらいのスミイカです 今回も4月のスミイカで解説をします
スミイカの大きさは小ぶりです 10から15センチほどの小さめな烏賊となります アオリ烏賊烏賊とよく似た姿をしていますが種類は別物です アオリ烏賊は手が短く、丸みがあります また、大きさもアオリ烏賊のほうが倍以上に大きくなります
スミイカは本州の暖かい海に好んで生息しています 砂泥の浅い海に多く産卵の時期には岸辺に多く集まる性質です
スミイカの身はネットリとした感じで刺し身が最適です 深い甘みがあり、柔らかな身も人気の一つです
烏賊全般に言えることですがタウリンが多く、脳の活性化、肝臓の強化に効果があります 脂肪が低くタンパク質が多く栄養のある食材です 日本人はイカやタコは大好きです 文化的な側面も含んで各地方で調理されて来ました
スミイカの捌き方
できる限り簡単な方法で解説をします 多少、順番が異なるやり方も和食ではありますが今回のやり方がきれいに、早く、確実にスミイカを捌くことができると思います なお、アオリ烏賊の捌き方も同じやり方です
最初に墨を洗います スミイカは自分の吐いた墨で汚れています 水でよく洗い墨を落としてください
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水洗いで墨を落とします
まな板に上にスミイカをのせます 足の方を手前においてください 写真のように甲の上を軽く包丁でなぞります 薄皮一枚を切る感じですが、完全に切らなくても多少傷が付けばそれで構いません
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足を手前に置きます 包丁で表面を切ります
手で中の甲を外します 周りに指を入れると取れます 見た目よりも簡単に外れます 写真のように親指で甲を持ち上げるとすぐに取り除けます
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甲を除きます
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右が取り除いた甲です
内臓が見えますが、薄皮で包まれています この薄皮を手で破きます 親指を刺すようにすれば簡単です 中にあるのは内蔵で捨てる部分です 遠慮なく薄皮を破いてください 身が傷つくことはありません
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内蔵が見えています
内蔵を取り出します 足と一緒に外れます 引っ張って内臓を外します 足と内臓が離れてしまう場合はそれぞれ別に外して構いません また、最後まで足を残しても構いません
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内蔵を引っ張っています
ここが少し解りづらいかもしれませんが、落ち着いて見てみてください 身の周りに縁側があります ヒレですね 細いヒラヒラです これを指でつまむと外れます そして手で引っ張ります
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右手が縁側 ヒレです
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簡単に外れます
写真のように各部位になります 左上が甲 左中がヒレ 左下が身 右上が内蔵 右下が足です
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各部位に分かれました
まな板が汚れている段階です ゲソ(足)を切りつけます 簡単に筒の水管がわかると思います ここから半分切りです 慣れない方はともかく半分に切れば大丈夫です ただし 中にあるクチバシは切りません クチバシに刃が当ったらそれ以上は切りません クチバシは手で引っ張って取り除きます
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半分切です
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目や口を取り除きます
さて水洗いです 内臓は捨てます ボールで何度か流し洗します 真っ白な身が登場すればOK
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真っ黒な水
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きれいな水になりました
ここまでで、烏賊の捌きはほぼ終わりです しかし、スミイカには口に残る薄皮が何枚かあります これを取り除きます
ここからはその皮を取り除いてゆきます
下のように烏賊をまな板に置きますが、水気をまな板と烏賊共によく切ります 水気を取ることは大切なポイントです 水気があると実は色が真っ白になって味も落ちます 透明感を残すために水気はしっかりととってください
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表面の皮をむきます
周りを整形します 包丁で不要な部分を取り除いてください
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裏も同様に
ふきんで表面の皮をむきます 一番上の色の白い皮です この皮は簡単にむけると思います
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ふきんを使います
裏面も表面の皮をむきます ふきんで引っ張れば簡単にむけます
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引っ張れば簡単
一見、これで皮が向けたような感じですが、皮はまだあります その皮を剥く前にへそを落とします へそとは裏側の出っ張っている部分です 左右にソロぞれ1個あります
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へそ
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へそ
和食店では下の部分を切り落とさない程度に包丁を入れて、そこを突破口に薄皮をむきます しかし、大切なことは薄皮が剥ければなにも問題がないので、爪楊枝や串で薄皮を探りながら取り除けば大丈夫です
下の写真が薄皮です 目立たないわかりにくい皮ですが、口に残ります 裏表と必ず剥き除いてください
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薄皮です
皮が剥ければ完成です スミイカの捌きはここまでです 後は刺し身などにしてゆきます
スミイカの刺し身
基本の刺し身を紹介します 身は薄皮を処理したものです 水気をよくふいたまな板で切りつけをします 最初に包丁を斜めにして鹿の子切にしてゆきます
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鹿の子包丁を入れます
一口大に切りつけをして盛り付けをします イカ刺しの完成です
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甘エビ サーモンを盛り合わせました
スミイカの黄金焼き
黄身焼きとも言います 黄身を表面に重ね焼きをして仕上げます 今回は前菜に使用しました
スミイカは串に刺します
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金串を刺します
卵の黄身に少量の塩と薄口醤油を入れます
表面にぬって乾かしてを三回以上繰り返します 決して焦がしてはいけません
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仕上がる寸前です
串は必ず回しながら焼きます そうしないと串が抜けなくなってしまいます
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串を抜きます
切りつけをして盛り付けをします 黄金焼きの完成です
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盛り付けをした黄金焼きです 完成
まとめ
スミイカはとても美味しい烏賊です スルメやアオリ烏賊と比べると影が薄いですが、それにも勝る濃厚な味です ねっとりした甘みが私は大好きです 是非、極めてみてください
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