とら書のブログ

赤貝の基本 捌き方や処理方法、人気献立を解説 絶品 赤貝の苺酢 赤貝のつぼ焼き

はじめに

赤貝は日本料理では外す事ができない大切な素材です 鮑やサザエ、アサリ、ホタテと並び、献立にはとてもよく登場をします 甘みのある赤い身 お好きな方も多い方思います 今回はその赤貝を殻から捌く(むく)方法、下処理のやり方、赤貝の料理を解説してゆきます 日本料理のプロ、アマ問わずに参考になさってください

赤貝の基本を学ぶ

フネガイ科の二枚貝です 6センチ前後が多く流通していますが、実際に大きくなる貝です 12センチを超える大物も時折見かけます 今回、みなさんに捌く赤貝もかなりの大玉です 10センチに近い大きさです

 

特徴ですがからの外側の縞模様が独特です 深めの波もようが走っています 私の調理場の聡太郎君に数えたてもらったところ42本入っていたそうです 実は数は決まっています 42本か43本と必ずどちらかの本数となっています 少し不思議ですね

外側は黒っぽい色で細かい毛が生えています 内側は白色、蝶番は直線的です

縞模様がきれいな赤貝

なんと言っても、身が赤いことが一番の特徴となります 真っ赤な血の中に赤い身がふっくらと入っています この赤い原因はヘモグロビンです 我々の血液に含まれている成分と同じです

 

今、赤と言いました 名前は確かに赤貝ですから、、、しかし実際は赤ではなくオレンジが正解の色合いです

 

赤貝は北海道から九州まで広く生息をしています 内湾に多く10メートル前後の海にいます 砂地よりも泥地を好む性質です ですので時折、殻の中に多くの泥をかんでいる赤貝が見られます 国産は千葉、宮城県が主流でしたが数が著しく減っています 特に東京湾の千葉産はほとんど獲れていません

 

輸入が増えています というよりほとんど輸入に頼っています 空輸で輸入して備蓄して出荷されています 国は中国、韓国、北朝鮮からの輸入です

 

タンパク質とビタミンが豊富で意外ですが糖質も多く含まれています

和食と赤貝

赤貝に似た貝にサトウガイとサルボオガイという貝がいます 違いを明確にするために和食では次のように差別して呼んでいます

赤貝=本玉

サトウガイ サルボオガイ=バチ玉

特に似ているサトウガイと赤貝の見分け方も解説をしておきます

サトウガイ 小さめで 色が薄い 殻の縞が38本

サルボウガイはほとんど缶詰になるので市場では見かけません

 

和食店では色々な種類の献立に赤貝は登場します

  • 汁物
  • 焼き物
  • 殻焼き
  • なます
  • ぬた味噌
  • 煮付け
  • 佃煮
  • 酢の物
  • 刺し身

など多岐にわたります 特に馴染み深いのは刺し身でしょうか・・・寿司ネタとしてもあって当然の素材です

 

和食での旬は冬です 夏場が産卵のためにその後が旬とされています

  • 夏の鮑

  • 冬の赤貝

などと和食では言われています 

 

赤貝の目利き 目利きは簡単です

触るとさっと口を閉じる物

口を閉じている場合は手で振って中の身が動かない物

これらが新鮮な生きが良い赤貝となります

手で振るとすぐにわかります

赤貝をさばく

実際に赤貝を捌いてゆきます どんな食材でもそうですが、数をこなして慣れるのが一番です 悩むより慣れろ 赤貝もできる限り触ってたくさん捌くのが大切です

最初に水洗いをします 軽く洗う程度です 真水を嫌うのでさっとボールで洗いましょう

赤貝を剥くためには貝むきという道具が必要です 貝むきがなければナイフ(ナイフフォークのナイフ)でも良いのですが、危険が伴います できれば貝むきを購入してください 実は貝むきには種類があります

赤貝用貝むき

牡蠣用貝むき

ホタテ用貝むき

などです 当然、赤貝には赤貝用が最適ですが牡蠣用などども応用が効きます その理由は赤貝の殻が意外と割れやすいために縁を叩くことですぐに破れて、どの貝むきでも簡単に中の身を取り出せるからです 実際にやってみると、それこそハンバーグなどを食べるナイフでもコツさえつかめば赤貝をむくことが出来るはずです

 

まず、口が空いていない赤貝の場合から説明をします 口を開けなければ何もできません そこで、口を開かせます やり方は二種類です

蝶番(ちょうつがい)をねじる

殻を割る

蝶番は二枚の殻のくっついている部分です そこの割れ目に貝むきをいれて、ネジを巻くようにひねります ただし、大きめな赤貝や生きの良い赤貝は固くて動きません

この部分が蝶番です ここをひねります

殻を割るのは簡単です 特別にトンカチなどは必要ありません 貝むきでトントンと殻の先端を叩くとすぐに破れます ただし、殻を使う料理では不向きです

 

ここから最初に下の貝から身を外します 貝ヒモを見つけます 貝の縁に紐状にくっついている紐が見えるはずです その下を滑らすように紐を殻から剥がします その付け根が貝柱です 貝柱の下を切り落とします

貝ひもの下を進めています

貝柱は蝶番のそばに白くあります どの赤貝も同じ場所にありますが慣れるまでは口を大きく開けて貝柱を直接目で確認してその下の部分を切り離せば良いと思います 正直に言えば、貝柱が多少、切れたり傷ついても問題ありません ちぎれても、集めれば味は同じ(笑) なにしろ、ここでは下の殻から身を外す作業をします 下の殻さえ取れれば成功です

下の殻が外れました 手の上に身を上にして置きます 先ほどと同じく貝の紐が殻の縁にあります その下に貝むきを入れ滑らせます 写真の左隅にある白い部分が貝柱です 貝柱の下を滑らせて切ります

反対側も貝紐の下を入れます

見が外れました どうにかここまでですが、ここから身の処理です

きれいに外れました

置き方が大切です 写真と同じ向きで赤貝を立てるように置いてください 貝柱は右側の身の先端の下にあります

この方向が大切です

貝柱の位置に指を置いて、摘み取るように貝柱と身を外します 簡単に指で外れます

指で摘みます

そして引っ張る

身と紐が分かれました 紐は後から解説をします 先に身の処理です写真の向きに身を置きます

寝かせてこの向きです

包丁を滑らすように半分位切り裂きます 切り開いた状態です しっかり切り開くと真ん中に穴が空きます 写真でも確認できるように小さな穴が見えるまで完全に開いてください 切り込みが少ないと穴が空きません 穴をなにかに利用するわけではありませんが、開く目安として覚えてください

開くとワタがあります

左右にあるのがワタです 内臓の部分となりますが、取り除きます 包丁を寝かせてとってゆきます 写真の角度を参考に身を削らないように表面を削ぎ落とします この落としたワタですが時折、佃煮にして御通しで出す店があります 安い居酒屋や寿司店などで見られます 私は捨てる部分と理解をしていますので、おすすめはしません この段階で完全にワタを取り除く必要はありません ダイタイ取れればOKです 仕上げの作業で完璧に取り除きます

へいで取ります

左がワタ

逆も同様に

仕上げの包丁でワタを落とします 包丁の先端でこすげ落とす感じです

こすって掃除

更に周りの汚い部分や余計なヒラヒラを取り除きます 取りすぎると先輩に怒られる(笑)のでそれなりに加減をしましょう

汚い部分も落とす

ここまでで身の捌きは終わりです 紐を捌きます 捌くというよりも掃除というのが正しいかもしれません 紐をこのような向きで置きます 周りの粘膜を落とします 貝柱の周りもよく見ると黒いワタがあります それも落としてください

紐の掃除はここからスタート

貝柱の周りのワタや汚れは少し深めに包丁をいれます

黒い部分は切り落とし

紐の掃除が完成しました

掃除を終えた紐

紐と身を洗います 大切なポイントですが

水に浸すのは短時間で!

赤貝は真水を嫌います 元気がなくなってしまいます 手早く済ませます

手順です

  1. 最初にボールに入れて塩を振りもみます
  2. 10秒揉むと粘りがでてきます
  3. 水にで粘りを落とします 手早くです
  4. 新たな水に落とします かき混ぜるよう洗います
  5. 仕上げの水に落とします
  6. リードやふきんで包み水気をとります
  7. 新しいリードに並べて完成です リードに挟んだ状態で冷蔵庫に入れます

塩はたっぷり

最初の水洗い

透明になりました

水気をとります

ここまでで赤貝の捌きたが終了です いかがでしたか? 実際にやるとはじめはまごつきますが、慣れれば大丈夫です 多少、傷つけても問題なしです 味はかわりなし(笑) このあとは実践、赤貝料理です 本当は刺し身を解説したいと思ったのですが、あえて今回は他の料理を紹介します ちなみに、刺し身では苺造り 糸造り 蝶造り、などの包丁を施して造りとします

赤貝の壺焼き

人気の料理です ポイントは季節野菜を多く入れてボリューム満点にすることです 赤貝の甘みが火を入れることで増して、季節野菜によくマッチします 料理店ではそれなりに料金がとれるオイシイ献立です 物珍しさもなかなかです

まずは殻を水洗いします 湯を見せても構いませんが、水洗いでもきれいになると思います

きれいな白色になりました

赤貝の紐と身を切ります 共に千切りです

切りつけた紐

身は線にきります

せり、筍を同じく千切りにします

せりです 千切り

材料を混ぜ合わせます

材料を混ぜました

貝に盛り付けをします こんもりと盛り付けます 天盛りで人参の梅、銀杏輪切りを足します

焼いてゆきます

汁を入れまます つぼ焼きのタレです 醤油1 味醂1 水4 です

 

割醤油が味のポイント

リンナイ(焼台)や網をコンロまたはオーブンにかけます 今回はリンナイです

焼いています 出来上がりが楽しみ

沸騰して具に火が入れば完成です プ~ンといい匂いがしてきました!

練塩をひき器に決めます

練塩をひいて

生麩をあしらって完成です 彩りもきれいな赤貝のつぼ焼きです

完成した赤貝つぼ焼き

殻を飾りに添えています キノコなども

人気のメニューです

 

赤貝の苺酢和え

旬が同じ苺を使う料理です 12月から春先まで長い期間献立に出せます 赤貝と苺は相性が良く、甘酸っぱい味が赤貝を引き立てます おすすめの和食献立です ではつくり方です

上の手順で捌いた赤貝を千切りにします 紐も使用できます

赤貝は細く千切

菜の花を茹でます

沸騰した湯にいれる

冷水に落とします

冷水に落とす

菜の花は薄口醤油 出し 味醂に漬け込みをします 醤油で軽く洗っても構いません

菜の花を切りつけします

茹でた菜の花を切りつけ

苺をスライスして千切りとします

苺はスライスして千切

酢を作ります 苺酢です 出し4 酢1 味醂1 砂糖 です 

 

酢は予め沸騰させて冷ましておきます そこにつぶした苺を汁ごと入れます

苺酢です

材料をあわせて盛り付けをし、上から酢をはります

赤貝の苺酢和えの完成です 天盛りはレモンです

盛り付けした赤貝の苺酢和え

まとめ

甘みのあるオイシイ貝 赤貝 料理は無限です あなたのアイデアで素敵な献立に仕上げてください

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